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Team DiET Colloquium vol.2

白人成人146万人におけるBMIと死亡率

Body-mass index and mortality among 1.46 million white adults
(N Engl J Med 2010; 363:2211-2219)
http://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa1000367

【背景】
BMIが高いことは心血管疾患や特定の癌による死亡率の上昇に関連するが、
BMIと全死亡率の明確な関連はまだ明らかにされていない。

【目的】
最適なBMIを求めること、および過体重、肥満、病的肥満のリスクを
喫煙・病気による交絡因子を最小限にして、しっかりと評価すること。

【方法概要】
19~84歳(中央値58歳)の白人成人146万人を対象とする
19件の前向き研究からプールしたデータを対象に、
Cox回帰分析を用いて、年齢、研究、身体活動、アルコール摂取、
教育水準、結婚歴による補正を行い、
BMIと全死因死亡率の関連に関するハザード比と95%信頼区間を推定した。

【結果概要】
ベースラインにおけるBMI中央値は26.2であった。
中央値10年(5~28年)の追跡期間に、160087件の死亡が同定された。
喫煙歴のない健常者では、BMIと全死因死亡率のあいだにJ字型の関連がみとめられた。
女性(非喫煙者)におけるハザード比は、
BMI 15.0~18.4で1.47、
BMI 18.5~19.9で1.14、
BMI 20.0~24.9で1.00、
BMI 25.0~29.9で1.13、
BMI 30.0~34.9で1.44、
BMI 35.0~39.9で1.88、
BMI 40.0~49.9で2.51
であった。男性におけるハザード比も全体的に同様であった。
BMI 20.0未満のハザード比は、追跡期間が長くなるにつれて小さくなった。

【結論要旨】
白人成人において、過体重と肥満、そしておそらくは低体重も、全死因死亡率の上昇に関連する。
全死因死亡率は全体的にBMI 20.0~24.9の層でもっとも低い。


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【Team DiET の議論】
今回、基礎疾患と喫煙を有する対象者を除外して追跡しても、
従来観察されたBMIと死亡率の間のJカーブ関係が見られたことから、
太りすぎだけでなく、痩せすぎも死亡率を高めるという結論が得られた。
今回のデータは白人成人の結果であるが、今後の日本の食生活がさらに欧米に傾くのであれば、
同様の結果を招く危険性がある。


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